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ソフトな地球意識が良き作り手と、賢い客を集める [エコロジー]

平成たまり場事情
【ソフトな地球意識が良き作り手と、賢い客を集める】

ガイア 東京・神田/週間SPA! 1995年11月15日発行(10年前の記事です)

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エコロジーに関心のある人なら、「ガイア」の名を一度は耳にしたことがあるはす。実はこの店、環境問題を政策に掲げたミニ政党の仲間で作り始めた店だ。*1

「うちは単なる商品を売っているんじゃないとボクは思っている」と語るのは、開業メンバーのひとり、少年ガイア氏。

仕入れた卵が余ったとして、それをゴミ集積場に捨てるか、土に返すのか。そこまでを含めて商品は地球とかかわっているんです」

そんな意識が波紋を広げたのか、オープン時にはたった5軒だった取引先も今や200軒。商品の納入先には、必ず手紙を添えてくる業者さんもいるというから、商品の品質は推して知るべし。

安全な野菜や牛乳を求めるだけだったお客さんも、いつしか地球環境や宇宙、意識をテーマにした本を手に取るようになったという。

ここはいわば、ある種の地球意識を共有する人たちの中継点なのである。

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「無農薬なら何でもイイ、というわけじゃありません。作り手の情熱や思いやりが見えるもの、関係を大切にしたものじゃないと置かないんですよ」

そんな眼で選んだ商品ひとつに「福のタネ本舗」という女のコのグループが持ち込んだメモパッドがある。ウラが白紙のチラシや請求書を掲載してまとめただけのシロモノで、一瞬「こんなの誰でもつくれるじゃん!」と思う。

だが実はこの商品、「自分でも作れる」という意識をも売るところに魅力がある商品なのである。

しかし店員さんの素朴な笑顔や服装でわかるとおり、ガチガチのエコロジストの店ではない。

“こっちのほうが自然ダヨ!”というソフトな地球意識が、良き作り手を呼び、客を集め、その関係を育ててできたたまり場なのである。

少年ガイア氏は、大のモンゴル通。「家まで運んじゃう遊牧文化に、昔からひかれていたんです」と。
いまだ家財の存在に縛りつけられた我々日本人にとって、ハッとさせられる意識の持ち主である。

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*1
89年の参議院選挙で、エコロジーを政策に掲げた「みどりといのちのネットワーク」の選挙事務所で生まれた八百屋いのちが始まり。玄米ラーメンやニセコサイダー、よつ葉のチーズなど売った。僕は店の経理をボランティアでやっていた。

選挙後に地元のおばちゃんたちの要望など受けながら、小売店GAIAが誕生。お茶の水のすずらん通りで約3年営業。ビル老朽化に伴う店舗取り壊しで一時閉店。今の場所に移転と同時に、再開まで無給で店舗探しなどしたスタッフらが株を持つ株式会社として再スタートした。


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